
最初に細かいところでお断りを。タイトルにある「初代」という表現ですが、今回紹介するクルマはアコード・インスパイアとしての「初代」でして、「ビガー」としては3代目になります。アコード・インスパイアは1989年に新登場しますが、ビガーの方はもともとアコードの姉妹車として1981年にデビューしていたのが、1989年のモデルチェンジで車格がワンランク上がり、アコード・インスパイアの姉妹車となったのです。また、画像手配の関係で、トップ画像にはビガーを使っていますが、便宜上、この先は「インスパイア」と一まとめにして表現します。
しかし、インスパイアって、現在でもありますけど、一番ヒットして、我々の記憶に残っているのはこの型なんじゃないでしょうかね?
上に書いたとおり、インスパイアのデビューは1989年です。この年、ホンダはカッコ・インテグラにアコードといった主力モデルのフルモデルチェンジを敢行していますが、アコードはイマイチだったもののインテグラとインスパイアは大ヒットします。
インスパイアのデビュー翌年、つまり1990年に自分もカッコ・インテグラを購入し、同じ年の9月から札幌支社の営業課に配属されます(それ以前は支社の事務をしていました)。配属された営業課の課長は30代半ばの独身貴族で、彼はバブルの追い風に乗って(ホントは進んでいた結婚話がポシャッた)インスパイアの最高級グレードAXiをフル装備で購入しました。一般に生保の営業課というのは、セールスレディのための組織で、男性は基本的に彼女達のマネジメントをするのが仕事でした。自分の課も、男性は課長とそのサポートをする自分の2名しかおらず、あとは全てセールスレディ、という構成だったため、男性2名はコミュニケーションをとる機会も多く、お互いに愚痴をこぼしあうような緊密な人間関係でした。よって、自分はインスパイアの実車をよく見たし、実際に乗ってみる機会もありました。
いまはもう、国産車もどんどん大型化し、シビックが3ナンバーになってしまう時代ですが、当時インスパイアに乗ってみて感じたのは「デカイ!」ってことでした。全幅は5ナンバー枠(後に3ナンバーも追加されますが)に収まる1695ミリでしたから、現在の水準から見ればヴィッツと同じ(笑)レベルなんですが、ホイールベースが2805ミリと長く、全然小回りが効かない、って印象がありました。
インテリアはさすがに豪華で、木目があしらわれていたり、シートも厚みがあって快適な感じでした。カッコ・インテグラよりもかなり重厚な感じがしましたね。でも、さすがはホンダ、豪華さの中にもスポーティーさは忘れてなくて、ATのシフトレバーはガングリップタイプでしたし、タコメーターも大型のものがつけられていました。
エンジンは珍しく直列5気筒が採用され、最高出力は160馬力でした。この160馬力というのは微妙で、当時ライバルと思われていたトヨタ・マーク2は標準では135馬力だったものの、ツインターボ210馬力なんてグレードもありましたから、特段馬力自慢という感じではなかったのですが、それでも「中の上」というポジショニングは押さえていました。それと、「FFミッドシップ・レイアウト」と称して、直列5気筒エンジンを縦置きし、重量バランスについての優位性をアピールしていましたから、やはりホンダのハイソカーとして、一味違う、って味付けになってました。
バブル絶頂期、みんな「ちょい高級」路線を突き進んでました。BMWとかソアラを買っちゃう派もいました
が、自分よりも少しだけ年上(20代後半~30代前半)で、通常のクルマ好きの狙い目はやはりマーク2とかスカイラインとかこのインスパイアであったように思われます。営業課の課長がインスパイアを購入してから半年後くらいに、今度は隣の営業課の先輩(当時29歳くらい)も後を追うようにインスパイアを買っていました。
当時、支社の営業マンは自分のクルマを営業に使っていたのですが、ある日、我々営業マンにとってはごく当たり前の午後10時頃、帰宅しようとしたら事務の女性が2人、残業でまだ会社に残っていました。そこで、自分は(インスパイアを買った)先輩と一緒に彼女達をクルマに乗せ、ファミレスで夕食を食べて、自宅に送ってあげました。彼女達の自宅の方向が正反対だったので、自分のインテグラに1人、そして先輩のインスパイアにもう1人を乗せました。当然、自分から見てキレイな女性は先輩に譲りました(笑)
で、後日、先輩と先輩が乗せた女性は結婚しちゃったんです!結婚式で二人の馴れ初めが紹介されていましたが、どうやらきっかけはこの日だったようです。女性の方は、インスパイアに乗せてもらって、「このクルマ、音がしない(くらいに静粛性に優れている)」と思い、とても気に入ってしまったとのこと。もちろん、クルマだけで結婚できるほど世の中甘くはなく、先輩もすっごく頑張ったんだろうと思いますが、インスパイアを語る上で、このエピソードを忘れることはできません。
コメント (2)
インスパイアは当時人気ありましたね。自分もこの車結構好きでした。あの頃マークⅡなどの上級4ドアが人気だったこともあり、その対抗馬で出したと思うのですが、インテリっぽく見えて独特の香りがありましたね。フロントミッドシップレイアウトということで全長に対して異常に長いホイールベースがトレードマークでしたが、見た目は最大限に前輪を前に引張った感じで少しバランスが変に見えた記憶があります。ただこれは写真にもあるマイナー・チェンジを機にアメリカで売られていたアキュラブランドと同デザインのワイドボディーになってからは解消されたでしょうか。課長さんの乗っていたAxiは本革シートにサンルーフが標準装備されていた一番上のグレードですよね?この辺が女性へのポイント高かったかもしれません(笑)今のインスパイアは存在自体が中途半端な感じですけど、アメリカでは現行型のアコードとして売られているみたいですね。
投稿者: かなやん | 2006年12月18日 22:10
日時: 2006年12月18日 22:10
かなやんさん
いつもながら博識!っていうか、世代感覚が完全に一致していると感じさせるコメントですね。
課長はAXiを「つけられるものは全部つけて」というヤケクソ気味での「大人買い」をしており、本革シートもサンルーフもバンパーにつけるポールもぜーんぶついてましたから、何が標準装備だったのかよくわかりません(笑)
先輩のはAGiでして、こちらは本革シートじゃありませんでしたが、クルマとしての魅力はなんら変わらなかったように思います。余談ですが、この先輩が結婚した女性は、一般的に見て非常に美しいヒトで、結婚を祝いつつ「チェッ!」と心の中で思っちゃいました(笑)
投稿者: Bヲタ | 2006年12月19日 10:17
日時: 2006年12月19日 10:17